アコースティックギターの音を細胞で感じる

ちょっと刺激的なタイトルで幕を開けたコラムですが、今日はギターの音の出し方について。
改めましてですが、アコースティックギターのサウンドって何故か心を揺さぶられるものがありますよね。
特にライブなど生で聴くサウンドには特別なものを感じます。

ただ、生で聴くサウンドでも他人が弾いてるのと自分が弾くのとでは、またそこで大きな音の違いがあるんですよね。

例えば自分の声を録音して聴いてみると違和感を感じたってことはないでしょうか?

普段しゃべっている声って、実は耳からだけではなく骨などに共鳴して身体全体で一番近いところで感じとっているんですよね。
それに対して録音した自分の声は、少し離れたスピーカーの音を鼓膜を通して少し遠くの距離感で聴くので、違和感を感じるのではないかと思います。

ギターの音もこれと同じことが考えられます。
もっと良いサウンドで聴こうと思ったら、自分で弾いてみることなんですね。
体に一番近い場所で、その音を感じること。

決して難しいことをしなくても構いません。
ギターを抱えて簡単なコードを押さえて丁寧に6弦全部ジャラーンと弾いてみると、その和音の美しさに改めて驚くんじゃないかと思います。
ひとつひとつの音が自分の細胞を揺るがすのを感じるはずですよ。
本当に心地良いくらい!

発明王のエジソンは蓄音機を歯で噛んで音を感じ取っていたという逸話が残っています。
もしお手元にギターがなければ、歯で噛まないまでも部屋のスピーカーに左右の手のひらを乗せて聴いてみて頂ければと思います。
何度も聴いていたはずの音楽に今までと違う感じ方をするはずです。

僕自身、音の強弱など感情表現をする時は、細胞ひとつひとつの声を聴くような感じでギターを弾くようにしてます。
どうやったら自分の心や体が喜ぶのか、その声を見逃さないようにすること。
誰だって必ず素晴らしい演奏が出来るはずですよ。
テクニックも必要ですが、一音一音を大切に包み込むように感じながら弾くことで新しい自分が見つけられるんじゃないかと思います(^^)